
HAMRは、AIデータセンターやクラウドサービスの拡大で再び注目されているHDDの大容量化技術です。半導体のHBMやARM関連と比べると聞き慣れない言葉ですが、実はストレージ分野では重要な次世代テーマです。この記事では、HAMRの仕組み、関連しやすい日本株・米国株、銘柄を見るときの注意点を、投資初心者にもわかるように整理します。
この記事でわかること
- HAMRとは何か、HDDの大容量化にどう関係するのか
- HAMR関連銘柄として名前が挙がりやすい日本株・米国株
- JX金属、レゾナック、TDK、HOYA、日本発条などの見方
- HBM、MRAM、SMR、ARM、RWAなど似た言葉との違い
- テーマ株として見るときに注意したいポイント
HAMRとは?HDDをさらに大容量にするための技術
HAMRとは「Heat-Assisted Magnetic Recording」の略で、日本語では「熱アシスト磁気記録」と呼ばれます。簡単に言えば、HDDのディスクにデータを書き込むとき、レーザーでごく小さな部分を一瞬だけ温め、より高密度に記録できるようにする技術です。
HDDは、磁気を使ってデータを保存する装置です。1枚のディスクにより多くのデータを詰め込むには、記録する粒を小さくする必要があります。しかし粒を小さくしすぎると、磁気の状態が不安定になり、データを安全に保つことが難しくなります。
そこでHAMRでは、熱に強い新しい記録材料を使い、書き込む瞬間だけレーザーで温めます。温めた瞬間は書き込みやすくなり、冷えると安定してデータを保持しやすくなります。この仕組みにより、従来よりも高い記録密度を目指せるのです。
なぜ2026年にHAMR銘柄が注目されるのか
背景にあるのは、生成AI、クラウド、動画、企業データの急増です。AI向けではGPUやHBMが目立ちますが、学習データ、ログ、画像、動画、バックアップなどを長期保存するには、大容量ストレージも欠かせません。
データセンターでは高速処理にSSDが使われる一方、大容量を比較的低コストで保存する用途ではHDDが今も重要です。特にニアラインHDDと呼ばれる大容量HDDは、クラウド事業者やデータセンターで使われる代表的なストレージの一つです。
シーゲイトはHAMRを使った「Mozaic 3+」プラットフォームを展開し、30TB超のHDDを発表しています。ウエスタンデジタルも、既存のePMR技術を伸ばしながらHAMRへの移行を進める姿勢を示しています。つまり、HAMRは研究段階だけの話ではなく、実用化と量産の段階に入りつつあるテーマです。
HAMR関連銘柄は「HDDメーカー」だけではない
HAMR関連銘柄を見るときは、HDDを完成品として売るメーカーだけでなく、記録メディア、磁気ヘッド、ガラス基板、スパッタリングターゲット、サスペンション、製造装置などの周辺企業も確認する必要があります。
ただし、関連があるからといって、すぐに業績全体へ大きく効くとは限りません。大企業の場合はHAMR関連の売上比率が一部にとどまることもありますし、小型株の場合はテーマ性で株価が大きく動きやすい一方、業績確認がより重要になります。


