
提訴期限と対象外条件で確認するB型肝炎給付金の注意点
B型肝炎給付金の相談を検討するときに特に確認したいのが2027年3月31日の提訴期限です。対象になる可能性があっても、現行法の期限までに必要な手続きを進める必要があります。一方で、期限を過度に恐れるのではなく、何をいつまでに行う必要があるのかを正確に理解することが大切です。
2027年3月31日は「相談期限」ではなく提訴期限
厚生労働省は、現行法では2027年3月31日までに提訴する必要があると案内しています。ここで注意したいのは、2027年3月31日までに法律事務所へ相談すればよいという意味ではないことです。相談後には、対象条件の確認や証拠収集、訴状の準備などが必要になる場合があります。
また、相談しただけでは提訴したことにはなりません。医療機関や自治体などから古い資料を取り寄せる場合には時間がかかる可能性もあります。対象に該当する可能性があるものの判断できない場合は、期限直前まで保留するより、必要な確認事項を早めに整理することが重要です。
2027年3月31日までに和解する必要はない
一方、「2027年3月31日までに裁判を終え、給付金を受け取らなければならない」という意味でもありません。現行法では、同日までに提訴等をしている場合、判決が確定した日または和解・調停が成立した日から1か月を経過する日とのいずれか遅い日まで給付金の支給を請求できます。
そのため、まだ提訴していない方がまず意識したいのは提訴の期限です。法律事務所へ相談する場合も、「給付金を受け取れるか」という結果だけではなく、「期限までに提訴するには何を準備すればよいか」を具体的に確認するとよいでしょう。
20年以上経過していても対象になる場合がある
病態に応じた一定の起算点から提訴まで20年が経過している場合、給付額が変わる区分があります。しかし、20年以上経過したことだけを理由に一律で給付対象外となるわけではありません。
慢性肝炎などでは、病態や治療経過によって20年の起算点の判断が重要になります。2026年1月には、慢性肝炎が再燃・再々燃した場合の期間の起算点について「基本合意書(その3)」も締結されています。過去の発症時期だけで自己判断せず、診療経過を含めて確認することが大切です。
法律事務所へ相談する前に費用と契約条件を確認する
弁護士に依頼する場合は、給付金額だけを見て判断せず、相談料、着手金、成功報酬、実費などの料金体系を確認しましょう。給付金の支給が決定した場合には給付金額の4%相当の訴訟手当金が別途支給されますが、実際の弁護士費用が4%に限定されるわけではありません。
また、対象外だった場合の費用、途中で依頼を終了した場合の扱い、医療記録などの取得費用が報酬に含まれるかも事務所によって異なります。契約前に費用の説明を受け、納得できる条件か確認することが重要です。
期限があるため、まず「対象可能性」と「不足資料」を相談する
B型肝炎給付金は、一般的な給付制度とは異なり、原則として国家賠償請求訴訟を経て救済要件を確認する制度です。そのため、対象かどうかを自分だけで完全に判断してから手続きを始めようとすると、証拠収集に使える期間が短くなる可能性があります。
厚生労働省では制度や必要資料を確認でき、具体的な訴訟手順や証拠収集についてはB型肝炎訴訟弁護団等への相談も案内しています。対象の可能性がある場合は、2027年3月31日までに提訴が必要という期限を踏まえ、現在ある資料と不足している資料、弁護士へ依頼する場合の費用や対応範囲を確認したうえで手続きを判断しましょう。
<参考サイト> 厚生労働省 / 社会保険診療報酬支払基金