相続した実家が空き家になったものの、「売るべきか」「リフォームして使うべきか」「そのまま所有していて問題ないのか」と判断に迷うことは珍しくありません。イエウールなどで売却価格を確認する方法から、空き家バンク、固定資産税、相続、雨漏り、火災保険、解体、補助金まで、空き家を所有したら知っておきたいポイントを整理して解説します。

この記事の目次

  • 空き家の価値を確認する意味
  • 空き家バンク・仲介・買取の違い
  • 相続した空き家と固定資産税の注意点
  • 管理不全空家等・特定空家等とは
  • 空き家のリフォーム・雨漏り・火災保険
  • 売却時の3,000万円特別控除
  • 解体補助金・管理代行・処分費用
  • 空き家を売る・貸す・活用する判断基準

空き家を査定する前に知っておきたいこと

空き家を所有したとき、最初に確認しておきたいのが「現在その不動産にどの程度の市場価値があるのか」です。利用する予定がなくても、価格が分からなければ「売却」「賃貸」「リフォーム」「保有」のどれが適しているか比較できません。

不動産売却の一括査定サービスは、戸建て、マンション、土地などについて複数の不動産会社へ査定を依頼できます。空き家についても査定対象となるため、売却を決める前の価格確認に利用する方法があります。

ただし、査定価格は「この価格で必ず売れる」という保証ではありません。不動産会社ごとに査定方法や販売方針が異なるため、提示された金額だけではなく、査定額の根拠、想定する買主、売却までの見通しも比較することが重要です。

イエウールの空き家査定と空き家バンクは目的が違う

空き家バンクは、自治体などが把握した空き家情報を掲載し、空き家を売りたい・貸したい所有者と、利用したい人を結び付ける仕組みです。国土交通省が構築を支援した「全国版空き家・空き地バンク」も運営されています。

一方、イエウールは不動産会社への査定依頼を仲介するサービスです。そのため、通常の不動産市場で売却できる可能性を調べるなら一括査定、移住者など地域とのつながりを重視した売却・賃貸を希望する場合は空き家バンクなど、目的によって使い分ける方法があります。

イエウールで空き家買取を検討するなら「仲介」との違いも確認

空き家の処分方法には、大きく分けて不動産会社の仲介で買主を探す方法と、不動産会社などに直接買い取ってもらう方法があります。

仲介は市場の一般購入者に向けて販売する方法です。一方、買取は不動産会社などが買主になるため、販売活動の方法や価格の決まり方が異なります。古い建物、残置物が多い家、大規模修繕が必要な家では、買取が選択肢になる場合もあります。

「イエウール 空き家買取」や「空き家 買取 空き家救急隊」といった言葉を目にすることがありますが、サービスの仕組みはそれぞれ異なります。空き家救急隊は空き家の管理・査定・買取などを扱うサービスで、イエウールとは別サービスです。

どの方法を選ぶ場合でも、1つの提示価格だけで判断せず、仲介なら想定成約価格、買取なら買取価格、必要経費を引いた最終的な手取り額まで比較すると判断しやすくなります。

そして、空き家を持ち続ける場合に特に確認しておきたいのが固定資産税と「管理不全空家等」の制度です。放置しただけですぐ増税されるわけではありませんが、管理状態によって扱いが変わる可能性があります。

イエウールで空き家売却を考えるなら固定資産税の仕組みも確認

住宅が建っている土地には、一定の条件を満たすと固定資産税の「住宅用地特例」が適用されます。小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準が価格の6分の1とされる仕組みがあります。

そのため「空き家を放置すると固定資産税が6倍になる」と表現されることがありますが、これは正確には新しい税金が6倍になる制度ではありません。住宅用地特例の対象から外れることで課税標準が変化するという意味であり、実際の税額が必ずちょうど6倍になるわけではありません。

管理不全空家等でも勧告を受ける可能性がある

2023年12月に施行された改正空家法では、「特定空家等」になる前段階として「管理不全空家等」という仕組みが設けられました。

適切な管理が行われず、そのまま放置すると特定空家等になるおそれがある空き家について、市区町村が指導や勧告を行うことがあります。管理不全空家等または特定空家等について勧告を受けると、その敷地が住宅用地特例の対象から除外される場合があります。

つまり「古い空き家だから自動的に固定資産税が上がる」のではなく、建物や敷地の状態と自治体による措置が重要です。

「危険空き家」の指定基準は倒壊だけではない

一般に「危険空き家」と呼ばれることがありますが、空家法では「特定空家等」などの用語が使われます。

特定空家等に該当するかどうかは、倒壊のおそれだけで決まるものではありません。国土交通省では、例えば次のような状態を判断対象として示しています。

  • そのまま放置すると倒壊など保安上危険となるおそれがある
  • 衛生上有害となるおそれがある
  • 適切な管理が行われず、著しく景観を損なっている
  • 周辺の生活環境を守るため放置することが不適切な状態になっている

屋根材の落下、外壁の破損、庭木の越境、害虫・害獣、ゴミの放置なども、程度によっては管理上の問題につながります。自治体から通知が来てから対応するのではなく、定期的に状態を確認することが大切です。

「空き家税」という全国一律の税金があるわけではない

「イエウール 空き家税」という言葉から、空き家を所有しているだけで全国一律の新税が課されると考える人もいるかもしれません。しかし、2026年8月現在、全国すべての空き家所有者に一律で課税する「空き家税」という名称の国税が導入されているわけではありません。

一方、自治体独自の制度はあります。京都市では、空き家や別荘など居住者のいない住宅を対象とする「非居住住宅利活用促進税」を導入する方針で、システム開発の影響により課税開始は2026年時点で2030年度予定とされています。

自治体独自の税制や条例は地域によって異なるため、空き家所在地の市区町村情報を確認する必要があります。

イエウールで空き家相続後の売却を考える前に登記を確認

親の自宅を相続したものの、誰も住まないまま空き家になるケースでは、売却以前に名義を確認しておく必要があります。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内に相続登記を申請する必要があります。制度開始前に発生していた相続についても、未登記であれば義務化の対象になります。

兄弟姉妹など複数人で相続している場合は、誰が取得するのか、共有にするのか、売却して代金を分けるのかなどを整理してから売却を進めることになります。

イエウールで空き家を売る前に知りたい「3,000万円特別控除」

一定の要件を満たす相続空き家には、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」があります。

2026年時点の制度では、対象となる譲渡期間は2027年12月31日までです。ただし、どの相続空き家でも利用できる制度ではありません。

代表的な条件には、被相続人の居住用だった家であること、原則として1981年5月31日以前に建築された家屋であること、区分所有建物ではないこと、一定期間内に売却すること、売却代金が1億円以下であることなどがあります。

また、2024年1月1日以後の譲渡については、一定の条件を満たせば、売却後に買主が翌年2月15日までに耐震改修または取り壊しを行うケースも対象となり得ます。

なお、対象となる家屋や敷地を取得した相続人が3人以上の場合、2024年以後の譲渡では1人当たりの控除上限が2,000万円となる場合があります。

特例を利用するには確定申告と必要書類の提出が必要です。売却契約を結んでから制度対象外と分かることを避けるため、該当しそうな場合は売却前に税務署や税理士などへ確認しておくと安心です。

イエウールで空き家リフォームを考えるなら先に査定する方法も

「古いからリフォームしてから売った方が高くなる」と考えがちですが、必ずしもリフォーム費用以上に売却価格が上がるとは限りません。

購入者自身が好みに合わせてリノベーションしたいケースもあるため、大規模な工事を始める前に、現状のまま売る場合の査定額を確認しておくと比較しやすくなります。

そのうえで「現状売却」「必要最低限の修繕」「全面リフォーム」の費用と想定売却価格を比較すると、過剰な投資を避けやすくなります。

空き家の雨漏りは放置せず早めに状態を確認

雨漏りがある空き家は、屋根だけでなく天井、壁、柱、断熱材などへ水分が入り、建物の状態が悪化する可能性があります。

売却予定だからと放置せず、まず原因と被害範囲を確認することが重要です。ただし、売却前に高額な全面修繕まで行うべきかは物件ごとに異なります。修繕費と現状査定額を比較して判断しましょう。

空き家になったら火災保険の契約内容も確認

自宅として契約した火災保険が、居住者のいない状態になった後も同じ条件で継続できるとは限りません。建物の使用状況などは保険契約上の重要な事項となる場合があります。

相続や転居によって家が空き家になった場合は、現在加入している保険会社や代理店へ状況を伝え、補償の対象、契約条件、必要な手続きなどを確認してください。

空き家を残すか手放すかを決める最後のポイントは、「これから毎年何にいくら必要になるか」と「売却・活用した場合の価値」を同じ土俵で比較することです。