インカムゲインとは?意味・キャピタルゲインとの違い・高配当株・投資信託・不動産・税金までわかりやすく解説

インカムゲイン狙いの主な投資先を比較

インカムゲインを目的とする場合、代表的な選択肢には株式だけでなくETF、REIT、債券、投資信託、不動産などがあります。

投資対象主な収入主な注意点
高配当株配当金減配・無配、株価下落
高配当ETF分配金価格変動、指数・運用方法、経費
REIT分配金不動産市況、金利、災害、価格変動
債券利子信用、金利、為替、途中売却時の価格変動
投資信託分配金元本払戻金の場合がある
現物不動産家賃空室、修繕、税金、借入金利、売却しにくさ

どの商品にも元本保証があるわけではなく、「インカムゲインを受け取れる=低リスク」という意味でもありません。

インカムゲイン狙いの高配当株はどう選ぶ?

「インカムゲイン 高配当株 おすすめ」と考えたとき、特定の銘柄を利回り順に買う方法には注意が必要です。

会社の将来の配当は確定しておらず、業績や財務状況、経営判断によって減配・無配となる可能性があるためです。

そのため、「おすすめ銘柄」そのものよりも、選定基準を知ることが重要です。

チェック1.配当利回り

株式の配当利回りは、一般に次の式で確認します。

配当利回り = 1株当たり年間配当金 ÷ 株価 × 100

たとえば株価2,000円、年間配当80円なら、単純計算の配当利回りは4%です。

日本取引所グループも、配当利回りを「投資資金と1年間に生むと期待される配当金との比率」と説明しています。

チェック2.なぜ利回りが高いのか

高利回りには大きく2つの理由があります。

  • 配当金そのものが多い
  • 株価が大きく下落した

配当利回りは分母が株価なので、株価が半分になれば、配当予想が変わらない限り表示上の利回りは約2倍になります。

つまり、非常に高い利回りが表示されている場合、投資家が将来の業績悪化や減配を警戒して株価が下落している可能性もあります。

「高利回り=有利」とは限りません。

チェック3.配当性向

配当性向は、会社の利益のうちどれだけを配当に回しているかを見る指標です。

日本取引所グループでは次の式が示されています。

配当性向 = 1株当たり配当額 ÷ 1株当たり当期純利益 × 100

配当性向が高いこと自体が直ちに悪いわけではありません。事業モデルによって適正水準は異なります。

一方で、一時的な利益や手元資金に依存して高い配当を続けている場合には、将来の継続性を慎重に確認する必要があります。

チェック4.利益とキャッシュフロー

配当を長期的に続けるには、企業自身が継続的に利益や現金を生み出せるかが重要です。

少なくとも次の推移を確認するとよいでしょう。

  • 売上高
  • 営業利益・純利益
  • 営業キャッシュフロー
  • 有利子負債
  • 配当金の推移

チェック5.通常配当と特別配当を分ける

年間配当には、通常の配当に加えて「特別配当」「記念配当」などが含まれる場合があります。

一時的な特別配当を使って計算された高い配当利回りが、翌年以降も続くとは限りません。

チェック6.1銘柄へ集中しない

インカムゲイン目的でも分散は重要です。

1社だけに集中すると、その企業が減配したときに受取収入全体が大きく減ります。業種や企業を分散したETFを活用する方法も選択肢の一つです。

高配当ETFは初心者にも使いやすい?

高配当株を自分で何十銘柄も選ぶ代わりに、配当利回りなどの条件で銘柄を選定する指数へ連動するETFがあります。

日本取引所グループも、「高利回り」を株式運用に使われる代表的なファクターの一つとして紹介しています。

ETFなら複数企業へまとめて投資できるメリットがありますが、次の確認が必要です。

  • どの指数に連動しているか
  • 銘柄選定ルールは何か
  • 特定業種へ偏っていないか
  • 信託報酬などの費用
  • 分配頻度
  • 純資産総額や売買状況
  • 外国資産なら為替リスクがあるか

「高配当ETF」という名称だけで商品の中身が同じになるわけではありません。

REITも代表的なインカムゲイン投資

REIT(不動産投資信託)も、インカムゲインを考える際によく利用される金融商品です。

日本取引所グループによると、REITは投資家から集めた資金で不動産を取得し、そこから生じる賃料や売却益などを原資として投資家へ分配を行う商品です。

上場REITは株式と同じように証券取引所で売買できます。

ただし、分配金が多いから安全という意味ではありません。物件の稼働率、不動産価格、借入金利、災害などの影響を受けるほか、REIT自体の市場価格も変動します。

投資信託の分配金=すべてインカムゲインとは限らない

投資信託で特に注意したいのが分配金の中身です。

追加型株式投資信託の分配金には、税務上、大きく次の2種類があります。

種類意味
普通分配金運用によって生じた収益から支払われる課税対象の分配金
元本払戻金(特別分配金)投資した元本の一部払戻しに相当する分配金

日本証券業協会は、元本払戻金(特別分配金)は投資元本の一部払い戻しに当たり、その分だけ個別元本が減少すると説明しています。

つまり、毎月1万円の分配金を受け取れていても、その1万円すべてが運用で増えた利益とは限りません。

「分配金利回りランキング」だけで選ばない

日本証券業協会も、投資信託の分配金利回りランキングについて注意を呼びかけています。

基準価額が下落すると、計算方法によっては分配金利回りが高く表示される場合があるためです。

投資信託でインカムゲインを狙う場合は、分配金額だけでなく次の項目を確認しましょう。

  • 基準価額の推移
  • 分配金の原資
  • 普通分配金か元本払戻金か
  • トータルリターン
  • 信託報酬
  • 純資産総額
  • 分配方針

不動産投資のインカムゲインとは?

現物不動産では、アパート、マンション、戸建て、店舗などを貸して受け取る家賃収入が代表的なインカムゲインです。

一方、不動産を購入価格より高く売ったことによる売却益はキャピタルゲインに相当します。

家賃収入=利益ではない

不動産投資では、「月10万円の家賃がある=月10万円の利益」というわけではありません。

国税庁では、不動産所得の基本的な計算を次のように示しています。

不動産所得 = 総収入金額 − 必要経費

必要経費となり得る代表例として、貸付資産に関する固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費などが挙げられています。

実際の手取りを考える場合には、さらにローン返済、管理費、空室、原状回復、設備交換なども資金繰りに影響します。

株式配当との大きな違い

現物不動産には、株式やETFにはない管理業務があります。

  • 入居者募集
  • 家賃回収
  • 修繕
  • 設備交換
  • 税金の支払い
  • 保険
  • 売却手続き

管理会社へ委託できる部分もありますが、その場合は管理費用がかかります。

そして最も気になるのが「インカムゲインだけで生活するには、いくら必要なのか」です。必要資金の計算方法と、配当金・分配金・不動産所得にかかる税金を次ページで整理します。

「月10万円ほしいなら何円必要?」という疑問は計算できますが、税金を入れると必要額は変わります。最後に具体例で確認しましょう。