親の実家を相続したらどうする?売却・居住・賃貸など現実的な選択肢

誰も住まない実家を持ち続けると何にお金がかかる?

住宅ローンが残っていない実家でも、所有しているだけで負担がなくなるわけではありません。実際にいくらかかるかは土地や建物の評価額、所在地、建物状態、管理方法などによって異なるため、年間の固定費と将来発生しそうな修繕費を分けて考えます。

固定資産税や都市計画税

土地や建物の所有者には固定資産税が課税されます。固定資産税の標準税率は1.4%ですが、実際の税額は固定資産税評価額や住宅用地に対する特例などを基に計算されるため、購入価格や現在の売却価格へ単純に1.4%を掛けた金額ではありません。

地域によっては都市計画税も課税されます。年間の実際の負担額は、自治体から送付される固定資産税・都市計画税の納税通知書を確認するのが確実です。

誰も住まなくても建物の管理が必要

空き家では、庭木や雑草の手入れ、清掃、換気、通水、害虫対策などが必要になることがあります。遠方に住んでいて定期的に訪問できなければ、空き家管理サービスを利用する方法もあり、その場合は管理料金も必要です。

火災保険などの契約を続ける場合は保険料も発生します。空き家では一般的な住宅と契約条件が異なることもあるため、現在加入している保険会社へ利用状況を伝えて補償内容を確認します。

古くなるほど修繕の可能性も高くなる

屋根や外壁、雨どい、給排水設備、給湯器、塀などは時間とともに劣化します。人が住んでいない家では不具合を発見する時期が遅れ、修繕範囲が広がる可能性もあります。

年間の税金や管理費だけでなく、「今後数年間で屋根や外壁に大きな修繕が必要になりそうか」といった点まで確認すると、保有と売却の費用を比較しやすくなります。

管理状態によっては土地の税負担へ影響する場合もある

住宅が建っている土地では一定の要件のもとで固定資産税の住宅用地特例があります。一方、適切な管理が行われず、法律に基づいて「管理不全空家」や「特定空家」とされ、自治体から勧告を受けると、住宅用地に対する特例の対象から外れる場合があります。

単に人が住んでいないだけで直ちに税負担が変わるわけではありませんが、建物や敷地を長期間放置しないことが大切です。

主な負担確認するもの
固定資産税・都市計画税自治体から届く納税通知書
保険火災保険などの契約内容
日常管理清掃、換気、庭木、雑草、通水など
修繕屋根、外壁、設備、塀などの状態
遠方からの管理交通費や管理代行サービスの料金

実家を保有するか売るか迷う場合は、まず1年間に実際に支払っている金額を書き出してみると比較しやすくなります。一方、売却する場合にも名義変更などの手続きが必要です。次ページでは、家を引き継いだ後の登記から売却までの流れを確認します。