証券会社のCFD取引では、日経平均や米国株、金、原油、外国為替など、国内外の幅広い金融商品を取引できます。少ない証拠金で取引できる一方、レバレッジによって損失も大きくなりやすいため、仕組みを理解せずに始めるのは危険です。本記事では、おすすめのIG証券のCFD取引の基本、銘柄の選び方、空売り、ノックアウト・オプション、取引時間、確定申告まで、中立的な立場から解説します。
この記事でわかること
- CFD取引の基本的な仕組みと現物投資との違い
- IG証券がおすすめの理由
- IG証券で取引できる主な銘柄と選び方
- ノックアウト・オプションと通常のCFDの違い
- IG証券でCFD取引を始める流れ
- 空売りの方法と下落相場における注意点
- CFDの取引時間、土日・祝日の取扱い
- CFD取引の税金と確定申告
- 初心者が大きな損失を避けるための対策
CFD取引とは?現物を保有せず価格差を取引する仕組み
CFDは「Contract for Difference」の略称で、日本語では「差金決済取引」と呼ばれます。株式や金、原油などの現物を受け取るのではなく、取引開始時と終了時の価格差によって損益を精算する金融商品です。
CFDでは実際の株や金を保有しない
例えば、日経平均に連動する株価指数CFDを買い、取引開始時より価格が上昇したところで決済すると、その価格差に応じた利益が発生します。反対に価格が下落すれば損失です。
CFDは原資産そのものを所有しないため、株式CFDを取引しても原則として株主にはなりません。株主総会の議決権も得られず、配当については銘柄や保有方向に応じて「配当金調整額」が受け払いされます。
証拠金を使ったレバレッジ取引
CFDは、取引金額の全額ではなく、その一部を証拠金として預けて取引します。これをレバレッジ取引といいます。
IG証券が案内している個人口座の最低維持証拠金率は、株式CFDが約定代金の20%以上、株価指数CFDが10%以上、商品CFDが5%以上、FXが4%以上です。ただし、実際の証拠金率は銘柄や相場状況によって異なり、引き上げられる場合もあります。
| 取引の種類 | 最低維持証拠金率の目安 | 理論上の最大レバレッジ |
|---|---|---|
| 株式CFD | 20%以上 | 最大約5倍 |
| 株価指数CFD | 10%以上 | 最大約10倍 |
| 商品CFD | 5%以上 | 最大約20倍 |
| FX | 4%以上 | 最大約25倍 |
レバレッジは利益だけでなく損失にも作用します。証拠金が10万円でも、それを大きく上回る金額のポジションを持てば、わずかな値動きで多額の損失が発生する可能性があります。
「買い」だけでなく「売り」から始められる
CFDでは、価格の上昇を予想する場合は「買い」、下落を予想する場合は「売り」から取引を始められます。
- 買い:価格が上がると利益、下がると損失
- 売り:価格が下がると利益、上がると損失
株式CFDの売り取引では、現物株の空売りのように株券を実際に借りるわけではありません。ただし、個別株を売り建てる場合には、取引手数料や借株コストなどが発生することがあります。
IG証券がおすすめの理由|銘柄数と取引方法の選択肢が豊富
IG証券は、株価指数や個別株、金、原油、外国為替など、さまざまな市場をCFDで取引したい人にとって有力な選択肢の一つです。特に、取扱銘柄の多さ、下落局面でも取引できる仕組み、損失上限を決めやすい商品の存在が特徴です。
ただし、IG証券を利用すれば利益を得やすくなるわけではありません。CFDはレバレッジを利用するため、少ない証拠金で大きな取引ができる一方、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。メリットとリスクの両方を確認したうえで、自分の投資目的に合うか判断することが大切です。
国内外17,000銘柄以上から取引対象を選べる
IG証券では、FX、株式CFD、株価指数CFD、商品CFD、債券先物CFD、ノックアウト・オプションなどを含め、国内外17,000銘柄以上の金融商品を取り扱っています。
なかでも株式CFDは、日本株や米国株を含む世界12,000銘柄以上が対象です。個別企業の株価を取引したい場合だけでなく、日経平均や米国500などの株価指数、金や原油といった商品も同じ取引環境で確認できます。
- 日本株や米国株などの個別株
- 日本225、米国500、ウォール街などの株価指数
- 金、銀、原油、天然ガス、農産物などの商品
- 主要通貨から新興国通貨までの外国為替
- 債券先物やETFを対象とするCFD
複数の市場を一つの口座で確認できるため、「株価指数だけでなく金も取引したい」「日本株と米国株を比較したい」といった人には使いやすい環境といえます。
一方、銘柄数が多いからといって、次々と異なる商品を取引する必要はありません。値動きの要因や取引時間を説明できる銘柄に絞るほうが、管理しやすくなります。
上昇相場と下落相場の両方で取引機会を探せる
IG証券のCFDは、価格の上昇を予想する「買い」だけでなく、価格の下落を予想する「売り」からも取引を始められます。
現物株では、基本的に購入後の値上がりによって利益を狙います。CFDでは、株価指数や個別株、金、原油などが下落すると予想した場合、売りポジションを保有し、価格が下がったところで買い戻すことによって利益を狙えます。
そのため、相場全体が下落している場面でも取引の選択肢があります。ただし、予想に反して価格が上昇すれば損失となり、売り取引では価格上昇に理論上の上限がありません。下落相場だから簡単に利益を得られるという意味ではない点に注意してください。
ノックアウト・オプションで損失上限を設定しやすい
IG証券では、通常のCFDに加えて、ノックアウト・オプションを取り扱っています。
ノックアウト・オプションは、あらかじめ設定したノックアウト価格に原資産価格が到達すると、自動的に決済される商品です。購入時に支払うオプション料が、原則として最大損失額となるため、通常のCFDよりも取引開始前にリスクを把握しやすい特徴があります。
上昇を予想する場合は「ブル」、下落を予想する場合は「ベア」を購入します。FX、株価指数、商品、国内外の個別株など、幅広い銘柄が対象です。
ただし、ノックアウト価格を現在価格の近くに設定すると、必要資金を抑えられる反面、わずかな値動きでも自動決済されやすくなります。また、外貨建て銘柄では、円換算時の為替変動によってオプション料以上の円換算損失が発生する場合があります。
一部の主要市場を長い時間取引できる
IG証券では、日本225、ウォール街、米国500、米国テク株100など、一部の主要な株価指数を長い時間取引できます。24時間取引銘柄は、原則として日本時間の月曜日早朝から土曜日早朝まで取引可能です。
米国市場の通常取引時間中にパソコンを確認できない人でも、早朝や夜間などに取引機会を探せます。また、一部の主要米国株CFDは、米国市場の立会時間外にも対応しています。
ただし、すべての銘柄を24時間取引できるわけではありません。銘柄ごとに取引時間や中断時間が異なり、夏時間の切り替えや各国の祝日によっても変更されます。発注前に取引画面の銘柄詳細を確認する必要があります。
無料デモ口座で操作と損益計算を試せる
IG証券では、実際の資金を入金せずに取引システムを試せる無料デモ口座が用意されています。デモ口座には仮想資金が設定され、FX、株式、株価指数、商品、ノックアウト・オプションなどの取引を体験できます。
CFDを初めて利用する場合、発注画面だけを見ても、ロット数と損益額の関係が分かりにくいことがあります。デモ口座を使えば、次のような操作を事前に確認できます。
- 銘柄を検索する方法
- 買い注文と売り注文の出し方
- ロット数と必要証拠金の関係
- 指値注文や逆指値注文の設定
- 保有ポジションの確認と決済方法
- チャートや価格アラートの使い方
ただし、デモ口座では実際の資金を失う心理的な負担がなく、スリッページやファンディングコストなどの条件もライブ口座と異なる場合があります。デモ取引で利益が出たとしても、実際の取引で同じ結果になるとは限りません。
チャートや分析機能が充実している
IG証券のWebブラウザ版取引システムには、複数のテクニカル指標やライン描画ツールが搭載されています。チャートと関連ニュースを一つの画面で確認でき、同じ銘柄を異なる時間軸で比較することも可能です。
スマートフォン向けの取引アプリでも、チャートの確認、注文、決済、価格アラートの設定などを行えます。外出先でポジションを確認したい人にとっても便利な機能です。
さらに、高機能チャートのProRealTimeも利用できますが、一定の取引回数を満たさない場合は利用料金が発生します。高度な機能が必要かどうかを確認してから設定するとよいでしょう。
口座開設費と口座維持費が無料
IG証券は、個人口座の開設手数料を無料としています。また、以前設けられていた一定条件下での口座管理手数料は廃止されており、現在は口座維持費もかかりません。
口座を開設しただけで定期的な維持費が発生しないため、まずデモ口座や取引画面を確認し、実際に利用するか検討できます。
ただし、口座維持費が無料でも、取引時にはスプレッド、株式CFDの売買手数料、ファンディングコスト、通貨交換コスト、借株コストなどが発生する場合があります。「口座無料」と「取引コスト無料」は異なります。
IG証券が向いている人
以上の特徴から、IG証券は次のような人に向いている可能性があります。
- 日本株、米国株、株価指数、金、原油などを幅広く取引したい人
- 上昇局面だけでなく、下落局面でも取引機会を探したい人
- ノックアウト・オプションで損失上限を設定したい人
- 夜間や早朝にも海外市場を確認したい人
- 無料デモ口座で操作を練習してから始めたい人
- チャートや分析ツールを活用して取引したい人
反対に、元本割れを避けたい人、価格変動を頻繁に確認できない人、配当や株主優待を受け取りながら現物株を長期保有したい人には、CFDが合わない場合があります。
IG証券がおすすめかどうかは、取扱銘柄の多さだけでなく、取引したい商品、許容できる損失額、保有期間、取引コストまで含めて判断することが重要です。
IG証券のCFD口座で取引できる主な金融商品
IG証券は、株式、株価指数、商品、外国為替、債券先物など、国内外の多数のCFD銘柄を取り扱っています。選択肢が多いことは利点ですが、値動きの原因が異なるため、理解していない銘柄を次々と取引するのは避けたいところです。
株価指数CFD
株価指数CFDでは、日本225、米国500、ウォール街、米国テク株100など、国内外の株価指数を取引できます。
日本225は日経平均株価、米国500は米国の主要企業で構成される株価指数を参照する商品です。個別企業だけの業績に左右されにくい一方、金融政策、景気、為替、政治情勢などの影響を受けます。
IG証券の株価指数CFDは、銘柄によって原則0.1ロットから取引できます。ただし、1ポイント当たりの損益額や必要証拠金は銘柄ごとに異なるため、発注画面に表示される金額を必ず確認してください。
株式CFD
株式CFDでは、日本株や米国株を含む世界の個別株を取引できます。IG証券は、株式CFDについて世界12,000銘柄以上を取り扱うと案内しています。
現物株とは異なり、株価が下落すると予想した場合に売りから取引できる点が特徴です。その一方で、企業の決算、業績予想、訴訟、規制、増資などによって株価が急変する個別銘柄特有のリスクがあります。
日本株CFDや米国株CFDでは、売買時に取引手数料がかかります。外貨建て銘柄では、円換算時の為替変動や通貨交換コストも損益に影響します。
金・原油などの商品CFD
商品CFDでは、金、銀、WTI原油、天然ガス、農産物などを取引できます。
金価格は、実質金利、米ドル相場、中央銀行の政策、地政学的リスクなどの影響を受けます。原油価格は、世界の景気、産油国の生産方針、在庫、戦争や制裁、輸送網の混乱などによって大きく動くことがあります。
商品CFDは最低証拠金率が5%以上となる商品があり、少ない資金で大きな取引が可能です。しかし、金や原油は短時間で価格が急変することがあるため、「少額だから損失も少ない」とは限りません。
FXとCFDの違い
FXも、広い意味では通貨を原資産とするCFDの一種です。ただし、一般的には通貨ペアを取引するサービスをFX、株価指数や株式、商品などを取引するサービスをCFDと区別して呼びます。
| 比較項目 | FX | CFD |
|---|---|---|
| 主な取引対象 | 米ドル/円などの通貨ペア | 株式、株価指数、金、原油、債券など |
| 取引方向 | 買い・売り | 買い・売り |
| 主なコスト | スプレッド、スワップポイントなど | スプレッド、手数料、ファンディングコストなど |
| 値動きの主因 | 金利差、金融政策、景気など | 企業業績、景気、需給、金利、政治情勢など |
ここまででCFDの基本はつかめましたが、リスクを限定しやすいとされる「ノックアウト・オプション」には、通常のCFDとは異なる重要な仕組みがあります。





