ノックアウト・オプションとは?最大損失を決めて取引する仕組み
ノックアウト・オプションは、あらかじめ設定した「ノックアウト価格」に原資産価格が到達すると、自動的にポジションが決済される金融商品です。通常のCFDよりも損失上限を把握しやすい一方、短期間でノックアウトされる可能性があります。
上昇なら「ブル」、下落なら「ベア」を購入する
ノックアウト・オプションは、通常のCFDのように売りポジションを保有する仕組みではありません。
- 上昇を予想:ブルのオプションを購入
- 下落を予想:ベアのオプションを購入
ブルの場合は現在価格より下に、ベアの場合は現在価格より上にノックアウト価格を設定します。原資産価格がノックアウト価格に達すると、その水準で自動決済されます。
最大損失額は原則としてオプション料
IG証券のノックアウト・オプションでは、最大損失額は原則として購入時に支払うオプション料です。ノックアウト価格での決済が保証されるため、急激な相場変動が起きても、設定した価格を大きく飛び越えて決済されるスリッページは発生しません。
ただし、外貨建て銘柄では、日本円に換算する際の為替変動によって、円ベースの損失額が当初のオプション料を上回る場合があります。「どのような状況でも入金額以上の損失が生じない」と一律に判断することはできません。
ノックアウト価格を近くすると少額になるが失敗しやすい
現在価格からノックアウト価格までの距離が近いほど、購入に必要なオプション料は少なくなります。その反面、わずかな値動きでもノックアウトされやすくなります。
例えば、日経平均が上昇すると予想してブルを購入しても、上昇前に一時的な下落が起き、近くに設定したノックアウト価格へ到達すれば、その時点で損失が確定します。その後に相場が上昇しても、決済済みのポジションは元に戻りません。
通常のCFDに「追証なし」は保証されない
通常のCFDにはロスカット機能がありますが、ロスカットは必ず指定した価格で成立するとは限りません。重要な経済指標の発表、週明けの価格差、災害、戦争などによって価格が急変すると、証拠金を上回る損失が発生することがあります。
したがって、通常のCFDを「追証なしの取引」と考えるのは適切ではありません。損失上限をあらかじめ明確にしたい場合は、ノックアウト・オプションやノースリッページ注文などの仕組みを確認する必要があります。
IG証券でCFD取引を始める基本的な流れ
CFD取引を始めるには、口座開設、入金、銘柄選択、注文、決済という流れで進みます。操作方法だけでなく、発注前に最大損失額を計算することが重要です。
1.口座開設を申し込む
IG証券の口座は、オンラインで申し込めます。氏名、住所、職業、年収、金融資産、投資経験などを入力し、本人確認書類を提出します。
CFDは元本保証のないレバレッジ商品であるため、申込者の資産状況や投資経験などを踏まえた審査があります。申し込めば必ず口座を開設できるわけではありません。
2.取引口座へ資金を入金する
口座開設後は、取引に使う資金を入金します。発注に必要な最低証拠金だけを入れるのではなく、価格変動に耐えられる余裕資金を残すことが大切です。
必要証拠金ぎりぎりで取引すると、わずかな逆行で証拠金維持率が低下し、意図しないタイミングでロスカットされる可能性があります。
3.取引する銘柄を選ぶ
取引システムで、日本225、米国500、金、WTI原油、個別株などから銘柄を選びます。
初心者向けの銘柄が一律に決まっているわけではありません。次の項目を説明できる銘柄から検討すると、根拠のない取引を減らしやすくなります。
- 何を参照して価格が決まる商品か
- 価格が動く主な要因は何か
- 1ポイント動いたときの損益はいくらか
- 必要証拠金はいくらか
- 取引時間は何時から何時までか
- 持ち越した場合にどのようなコストがかかるか
4.買いまたは売りを選んで注文する
価格が上昇すると予想する場合は買い、下落すると予想する場合は売りを選択します。次に取引数量を入力し、必要に応じて逆指値注文や指値注文を設定します。
注文確定前には、取引数量、必要証拠金、1ポイント当たりの損益額、損切り価格を確認します。方向だけを当てようとするのではなく、予想が外れた場合にいくら失うかを先に決めることが重要です。
5.反対売買で決済する
買いから始めた取引は売り、売りから始めた取引は買い戻すことで決済します。決済時の価格と新規注文時の価格との差から、手数料や調整額などを加減して損益が確定します。
空売りで下落相場の利益を狙う方法と注意点
CFDでは売りから取引を始められるため、株価指数や個別株、金、原油などが下落すると予想する場面でも利益機会を狙えます。ただし、売り取引は簡単に利益が出る方法ではありません。
下落すれば利益、上昇すれば損失になる
例えば、日本225を40,000ポイントで売り、39,500ポイントで買い戻した場合、500ポイント分の値下がりが利益計算の基礎になります。
反対に、40,500ポイントまで上昇して決済すれば、500ポイント分の値上がりが損失計算の基礎です。実際の損益額は、1ポイント当たりの損益額と取引数量によって決まります。
売り取引は損失上限を決めにくい
買い取引では、理論上の価格下限はゼロです。一方、売り取引では価格の上限が決まっていないため、相場が大幅に上昇すると損失が拡大します。
特に個別株では、好決算、買収、業務提携などの発表をきっかけに株価が急騰することがあります。売り取引を行う場合は、取引数量を抑え、損切り注文を設定するなどの対策が欠かせません。
IG証券のCFD取引時間は?土日や祝日も取引できる?
IG証券のCFD取引時間は銘柄ごとに異なります。「すべての銘柄を24時間取引できる」という意味ではないため、取引前に個別の銘柄詳細を確認する必要があります。
24時間取引銘柄は原則として平日に取引する
IG証券によると、24時間取引銘柄の取引システムは、原則として日本時間の月曜日早朝から土曜日早朝まで稼働します。米国と英国の夏時間への切り替えによって、開始時刻や終了時刻が変動します。
日本225、ウォール街、米国500、米国テク株100などは長い時間取引できますが、メンテナンスなどによる中断時間があります。個別株CFDは、対象となる証券取引所の立会時間を中心に取引する銘柄が多く、一部の主要米国株CFDは時間外取引にも対応しています。
土日は原則として取引できない
通常の株価指数、株式、金、原油、FXなどのCFDは、原則として土曜日の取引終了後から月曜日の取引開始まで売買できません。
土日に重要なニュースが発生すると、月曜日の開始価格が前週の終値から大きく離れることがあります。この価格差を「窓」や「ギャップ」と呼びます。通常の逆指値注文では、指定価格を飛び越えて不利な価格で約定する可能性があります。
日本の祝日でも取引できる場合がある
日本が祝日でも、海外市場が開いていれば米国株価指数や金、原油などを取引できる場合があります。一方、参照する原市場が休場する日には、取引停止、短縮取引、スプレッド拡大などが起こる可能性があります。
祝日の取引可否は毎年同じとは限りません。年末年始や海外の祝日前後は、IG証券が公表する最新のマーケット状況を確認する必要があります。
CFDは取引できる時間が長い反面、翌日まで保有するとファンディングコストが発生する場合があります。税金や確定申告にも、現物株とは異なるルールがあります。




