
売る・住む・貸す・残す、実家の判断基準を比較
親から引き継いだ家の方針を考えるときは、売却価格だけでなく、家族の利用予定、建物の状態、周辺の不動産需要、今後必要になる費用を合わせて比較します。特に相続人が複数いる場合は、誰が所有するのか、将来的に売却する可能性があるのかまで話し合っておくことが大切です。
誰も住まないなら現在の売却価格を確認する
自分も兄弟姉妹も住む予定がない場合は、まず実家の現在価値を調べてみると判断材料が増えます。不動産会社の査定では、土地の面積や形状、接道状況、築年数、建物の状態、周辺の取引事例などから売却価格の目安が示されます。
複数の会社へ査定を依頼すると金額が異なる場合があります。そのため最も高い査定額だけで依頼先を決めず、「なぜこの価格なのか」「どのような買主を想定しているか」「どの程度の期間で売却を見込んでいるか」といった説明も比較します。
住むなら改修費まで計算する
実家に住む選択をする場合は、取得費用がほとんどかからないから有利とは限りません。築年数が経過している住宅では、給湯器、水回り、屋根、外壁、耐震改修などに費用が必要になることがあります。
現在の建物を調査し、必要であればリフォーム会社などから見積もりを取ります。新しい住宅を購入する場合や賃貸住宅へ住む場合との総費用を比較すると、より現実的に判断できます。
貸す場合は家賃より「手元に残る額」を見る
賃貸として活用する場合は、想定家賃だけを見るのではなく、管理委託費、入居者募集費用、修繕、保険、固定資産税、空室期間などを差し引いて考えます。地域によって戸建て賃貸の需要も異なるため、地元の不動産会社などで家賃相場を確認する方法があります。
また、相続した親の家を一度賃貸すると、後に売却する際、被相続人の居住用財産に関する税制上の特例を利用できなくなる場合があります。将来売却する可能性もあるなら、貸し出す前に税制の条件を確認しておくことが重要です。
残す場合は「いつまで保有するか」も決める
すぐに結論を出せない場合は、一定期間保有する方法もあります。ただし、何年も判断を先送りすると、管理費を負担しながら建物の老朽化が進む可能性があります。
「1年後にもう一度査定する」「大きな修繕が必要になる前に判断する」など、再検討する時期を決めておくと、保有が目的化するのを防ぎやすくなります。
| 比較項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 利用予定 | 今後誰かが住む可能性があるか |
| 現在価値 | 売却査定額、周辺の取引相場 |
| 建物状態 | 修繕やリフォームが必要か |
| 賃貸需要 | 想定家賃、入居需要、空室リスク |
| 維持負担 | 税金、管理、保険、修繕など |
| 権利関係 | 単独所有か共有か、家族の意向 |
なかでも見落としやすいのが、誰も住んでいなくても続く維持費です。次ページでは、空き家になった実家を持ち続けるとどのようなお金がかかるのかを整理します。
