介護施設を探そうと思ったとき、すぐに資料請求を始める人は多いかもしれません。

しかし、条件を整理しないまま老人ホームや介護施設の資料を集めると、どれを選べばよいのか分からなくなります。

施設探しで大切なのは、資料を多く集めることではなく、本人と家族に合う条件を先に決めることです。予算、地域、医療対応、本人の希望、家族の役割を整理しておけば、施設比較がしやすくなります。

まず本人の状態を整理する

介護施設を探す前に、本人の状態を確認します。

要介護度、認知症の有無、歩行状態、食事や入浴の介助の必要性、服薬管理、持病、通院状況、夜間の見守りが必要かどうかを書き出しましょう。

施設によって受け入れできる状態は異なります。認知症の症状がある場合、医療処置が必要な場合、夜間の見守りが多い場合は、最初から対応可能な施設に絞る必要があります。

毎月出せる予算を決める

施設探しで避けて通れないのが費用です。

本人の年金、預貯金、保険、家族が支援できる金額を確認し、毎月いくらまでなら無理なく払えるのかを決めます。

老人ホームの費用は、月額利用料だけではありません。医療費、薬代、紙おむつ代、日用品費、理美容費、通院付き添い費などが別にかかることがあります。表示されている金額だけで判断せず、実際の月額負担を確認することが大切です。

入居時費用も確認する

有料老人ホームでは、入居時費用が必要な施設もあります。

入居一時金がある場合は、償却の仕組みや退去時の返還金を確認します。短期間で退去した場合にいくら戻るのか、どの費用が差し引かれるのかを理解しておきましょう。

希望する地域を決める

施設の場所は、本人だけでなく家族にとっても重要です。

本人が住み慣れた地域を希望するのか、家族が通いやすい場所を重視するのか、病院に近い場所がよいのかを話し合います。

家族が面会しやすい施設であれば、入居後も関わりを続けやすくなります。費用が安くても遠方すぎると、面会や手続きのたびに負担が大きくなることがあります。

医療対応を確認する

高齢者施設では、入居後に体調が変化することがあります。

持病がある場合は、看護師の配置、協力医療機関、訪問診療、服薬管理、緊急時対応を確認しましょう。

将来的に医療対応が増えたとき、その施設で暮らし続けられるのかも大切です。入居時は元気でも、数年後に介護度が上がる可能性があります。

認知症対応を確認する

認知症がある場合、施設選びの条件はさらに具体的になります。

徘徊、夜間不穏、介助拒否、物盗られ妄想などにどこまで対応できるのかを確認します。認知症が進行した場合に退去が必要になるのか、看取りまで対応できるのかも聞いておきましょう。

グループホーム、有料老人ホーム、特養など、施設の種類によって特徴は異なります。本人の状態に合う施設を選ぶことが重要です。

本人の希望を聞く

施設探しでは、家族の都合だけでなく、本人の希望を聞くことも大切です。

個室がよいのか、にぎやかな雰囲気がよいのか、食事を重視するのか、家族が通いやすい場所がよいのか、本人なりの希望があるはずです。

認知症がある場合でも、本人が安心しやすい環境や苦手なことを家族が把握しておくと、施設側にも伝えやすくなります。

家族の役割分担を決める

介護施設に入居しても、家族の役割がなくなるわけではありません。

資料請求をする人、見学に行く人、費用を確認する人、本人に説明する人、契約時に同席する人、入居後の連絡窓口になる人など、役割はさまざまです。

兄弟姉妹がいる場合は、誰か一人に負担が偏らないように話し合いましょう。お金は出せないが見学には行ける、遠方なので費用面を支援するなど、できる範囲を明確にすることが大切です。

資料請求前の確認リスト

確認項目家族で決める内容
予算毎月いくらまで支払えるか、入居時費用を出せるか
地域本人の地元を優先するか、家族の通いやすさを優先するか
介護度現在の要介護度、今後介護度が上がった場合の対応
認知症対応症状の程度、夜間対応、徘徊への対応
医療対応持病、服薬管理、協力医療機関、看取り対応
本人の希望部屋、食事、雰囲気、生活の自由度
家族の役割見学、費用確認、契約、入居後の連絡窓口

相談窓口を使うと整理しやすい

介護施設の種類は多く、家族だけで比較するのは大変です。

地域包括支援センター、ケアマネジャー、施設紹介サービス、自治体の窓口などに相談すると、本人の状態や予算に合う候補を整理しやすくなります。

資料請求をする前に条件を決めておけば、不要な資料に迷わず、候補を絞りやすくなります。

施設探しは早めに始める

介護施設は、必要になってから慌てて探すと、条件を十分に比較できません。

空室状況、費用、医療対応、認知症対応、家族の通いやすさを確認するには時間がかかります。本人がまだ在宅で暮らせている段階でも、資料請求や見学を始めておくと安心です。

介護施設探しは、家族の不安を減らす準備でもあります。予算、地域、医療対応、本人の希望、家族の役割を決めたうえで、候補施設を比較していきましょう。

出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム厚生労働省 有料老人ホーム資料東京くらしWEB