急な入院、家電の故障、収入減、家族の介護。大きな出来事でなくても、家計は「もしも」が重なると一気に苦しくなります。毎月の収支がぎりぎりだと、少しの想定外でも貯金を取り崩し、立て直しに時間がかかりやすくなります。
こうした不安があるときに考えたいのが、「貯める」と「備える」を分けて見直すことです。現金で持つべきお金と、保障を持ちながら準備するお金を分けると、家計の弱点が見えやすくなります。貯蓄型保険は、その後者を考えるときの選択肢のひとつです。
「もしも」に弱い家計に起こりやすいこと
急な出費が出ると、すぐ貯金を崩してしまう
予備費が薄い家計では、数万円から十数万円の出費でも影響が大きくなります。J-FLECは、金融商品を目的に応じて使い分ける考え方として、まず急な事態でも慌てないような予備費や生活費の確保を挙げています。つまり、何かあったときに動かせるお金の置き場を先に持つことが、家計の安定には欠かせません。
保障が足りないのに、何となく後回しにしている
家計の見直しでは、通信費や食費には目が向きやすい一方で、万一への備えは後回しになりがちです。けれど、家族を支える人に何かあったとき、収入への影響は家計全体に及びます。現金だけで全部に備えるのが難しいなら、保障の役割をどう持つかも考えたいところです。
現金で持つお金と、保険で備えるお金を分ける
すぐ使うお金は預金で持つ
冠婚葬祭、修理費、医療費の立て替えなど、すぐ動かせることが大事なお金は、まず預金で確保したい部分です。ここを薄くしたまま保険に回しすぎると、いざという時にかえって不便になります。
長く守りたい目的資金は別枠で考える
一方で、老後資金や家族のための備えのように、短期では使わないお金は、目的別に分けて持つ考え方が合います。毎月一定額を別枠にしておくと、日常の支出に紛れにくくなり、「残ったら貯める」より続けやすくなります。
貯めながら備える保険が向く場面
保障だけでなく、将来に残る形も欲しいとき
掛け捨てだけでは気が進まない、でも保障は必要という人にとって、貯蓄型保険は検討しやすい選択肢です。終身保険のように、死亡保障を持ちながら解約返戻金があるタイプなら、「備えだけで終わらせたくない」という感覚にも合いやすくなります。
使い込みを防ぎながら準備したいとき
老後資金や家族のためのお金を預金で分けても、結局使ってしまうという人は少なくありません。保険料として毎月先に分ける形なら、家計の中で目的別に固定しやすくなります。貯める意志より、仕組みで残したい人には向くことがあります。
ただし、家計が苦しいときの保険は逆効果にもなる
途中でやめると弱くなりやすい
生命保険文化センターによると、解約返戻金は通常、払い込んだ保険料総額より少なく、契約後短期間の解約では、まったくないか、ごくわずかな場合があります。つまり、貯蓄型保険は「困ったら引き出せる貯金」と同じではありません。家計に余裕がない状態で無理に入ると、あとで解約して損をしやすくなります。
保険料を重くしすぎない
「もしも」が不安だからといって、保険料を大きくすると、今度は毎月の家計が苦しくなります。備えのための保険で生活が圧迫されると本末転倒です。まずは小さく始めて、家計が安定してから見直すほうが現実的です。
見直しの順番を間違えないことが大切
1.予備費を確保する
最初にやりたいのは、すぐ使えるお金の確保です。ここがないと、どんな備えも続きにくくなります。
2.保障が必要な家計かを確認する
独身か、扶養家族がいるか、住宅ローンがあるかによって、必要な保障は変わります。家計の前提が違えば、向く保険も違います。
3.無理なく続けられる金額だけを保険に回す
家計に余白ができた分だけを、目的別に積み立てるのが基本です。貯蓄型保険は、続けられてこそ意味が出やすい商品だからです。
「もしも」に弱い家計が最初にやるべきことは、保険に入ることそのものではありません。すぐ使うお金と、長く守りたいお金を分けることです。そのうえで、保障も必要で、使い込みを防ぎながら備えたいなら、貯蓄型保険は候補になります。家計を守る保険にするためには、入ることより、続けられる設計にすることが大切です。





